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新井雄志

経営者目線とは…

なんか従業員も経営者目線を持つべきだ。

いやそうではない。

いやこんな考えだ。


という論争が一部界隈で起こっていた。



僕自身が

「かつて経営者目線を持とうとしていた意識高い系サラリーマン」


であり、現在は


「(いちおう)経営者」


という立場なので上記それぞれ+俯瞰的な立場の3点から個人的な感想を述べてみよう。





まず初めに前提で伝えておきたいのが、


社長の考えに同調・同意してくれて課題や問題事項に同情してくれて、社長の考える方針にYesマンとなりひたすら社長が考える課題の解決に粉骨砕身してくれる人。


それを指して「経営者目線を持っている社員だ」と評価する社長は沢山います。


それらは


基本的に地雷


なので気をつけましょう。


※従業員に対して健全な意味で使っている社長の方が少数派だと思います。





①(いちおう)経営者として思う事


結論としては「どっちでも良い」なのですが、少なくとも「持つべきだ!」と強要する気も指導する気(できる気)も無いです。



というか健全な経営者目線を持っている人がいたら「俺の代わりに社長やってくれい!」という考えです。



基本的にトップダウンの方がスピーディーだと思うので、変に経営者目線を全員がぶつけあうと摩擦が増えてスピード感が落ちるのを懸念しているのも一つ。

(議論をぶつけあう事によるブラッシュアップのメリットもあるのは承知しています。)



一応補足ですが、経営者目線とか経営者の仕事といっても大別すると下記2種類あると思っていています。


(1)最低限

法務・税務・会社法に伴う義務といった雑多な事であり多分誰でもできます。


(2)スケールアウト

売上拡大・採用拡大・事業拡大・新規事業創出・アライアンス・ブランディング・ファイナンスといった事。



僕はむしろあまりスケールアウトの方向性で大きくなりたくないので向いていないと言えば向いていない。


誰かその方向性でチャレンジしたい人いたら応募してね。(採用するかは知らんけど)




②かつて経営者目線を持とうとしていた意識高い系サラリーマンとして


この観点で申し上げると多分持ったほうが良いです。


視野が広まる事により顧客・社内双方で各部署のふところ事情や決裁者クラスの葛藤が想像できることで行動が変わり、結果として様々なメリットを享受できます。



・各部署との信頼関係が築ける。

・役員級に(一時的に)好かれて評価される。

・稟議書が上手になる。

・新しい仕事を任されやすくなる、

・つまらぬ会議がそこそこ楽しめたりする。

・顧客折衝能力が高まる。


等々。


前提として「他者の心情をある程度察せられる事」という能力は必要になりますが、とりあえず効果は出ると思います。


(理由の詳細をそれぞれ紐づけて説明すると長文になるので省きます)




③俯瞰的な立場で考えて


基本的には持った方が良い。なのですが、微妙な点もあります。


それは冒頭に書いた地雷とも若干重なるのですが、上司や役員・社長に「その社員を受け入れる器」があるかどうかが結構重要になります。


月並みな表現をすると、上司や役員にとっては「経営者目線をもった優秀な社員」って相手するの凄く疲れるんですよねww



正直なところ、文句や不平不満・意見を言わずモクモクと与えた仕事をこなして尚且つ結果を出してくれる社員が一番楽なのです。


(そして意外にこの層が結構いるので、こちら側の人が先に出世したりします。)



ですから、


多様な視点を持ってバリバリ働き成果も出す分、意見もしっかり言う。という一見優秀な社員ほど社内政治でけっこう行き詰ります。

(私の過去の実体験からも)



人というのはカワイイもので権力を有した人ほど自分の領域を侵害された時の拒否反応が強いんですよね。


(いやあカワイイ。)



社内にポストが増えていて、かつ引退が見えている役員が多くいる状態であれば暫くは社内政治の軋轢や不条理に耐えれますが、あまりに続くと嫌気が勝ちます。


優秀な社員ほど辞めていく。とよく言われる理由の一つにこの辺りが関係していると思われます。



ですからあまりに意識が高いと中長期に渡っては社内政治で疲弊する可能性があります。


あくまで会社に帰属して安定して働きたい。


と考えているなら変に経営者目線を持たずに目の前の業務をモクモクとこなす方が良いのではないかともちょっと思いました。


(会社がずっと持つかは知りませんが)




ここまで①②③の3つの観点で書いてみました。


ダラダラ書いただけですが当社の事を知る一端になれば幸いです。

おわり。



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